Blog : Vitoiメンバーの声をお届けします。練習後のメンバーの様子などを載せています。
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Special - 特設ページ

 特設ページ開設しました!日記のページでは練習報告に埋もれてしまうので(といってもそんなに更新できてない・・・爆)、貴重な体験はこちらでも報告させていただきます☆
 記念すべき第1弾は、今年の4月に受けた名倉亜矢子さん、金子浩さんの公開レッスンの報告です。同日の演奏会の模様も含めて、お楽しみ下さい。

特集1:名倉亜矢子さん、金子浩さん公開レッスン

 vitoi結成2年を迎える前々日、vitoiは6人揃って素晴らしい時間を過ごしました。

 4月12日に阪急服部駅最寄のノワ・アコルデ音楽アートサロンにて行われた、ソプラノの名倉亜矢子さん、リュートの金子浩さんのデュオコンサートと、その後行われた両氏による公開レッスンを拝聴し、そして最後に特別枠でvitoiも1時間(ちょっとオーバーしたかも?^^;)レッスンを受けさせて頂く機会を得たのです。

 「英国の風景」と題されたデュオの演奏は、前半はジョン・ダウランド作のリュートソング、後半はアイルランドのフォークソング。マンションの一室が素敵なサロンになっているという会場で、演奏者と観客が近く、親密な雰囲気の中2人の繊細な音楽の世界を充分満喫しました。とても幸せな時間を頂いたのと、数時間後に自分たちがそこで歌うことを思って少し恐ろしいような気がしてきて、「もうこれで帰る?」などと休憩の時間に外の空気を吸いながらお話していると、そこに着替えを済ました名倉さんが通りかかり「楽しんでいただけましたか?」と優しい麗しい笑顔で話しかけてくださって、メンバーはみな恐縮。その可愛らしさと美しさに「はい!なんでもいたします!」と思わず声を揃えそうな…(笑)

 その後3名の方がそれぞれ1時間ずつ公開レッスンを受講され、金子さんのリュート伴奏に導かれながら、フランス語の宮廷歌曲やダウランド、パーセルの歌をお二方から学ばれるのを拝聴しました。一番印象的だったのは名倉さんの優しく、しかし的確なアドバイスと、金子さんが度々口にする「きもちがいい」「快感」と言う言葉でした。私やあなた、そして聴く人はこの音楽のどこに「快感」をもとめ、感じようとしているか。作品のここかしこに、そんな「快感」の戸口が用意されていること…。そしてさらに名倉さんは「思っていることは意外にすぐに伝わる」と言いました。「思う」ことだけで既に多くのことが伝わる、と。これは別に1ページかけるくらいの話しになるので諦めますが(笑)このことは実はとても重要なことであり、そして非常に深くて、この意識の使い方を選んでいけるようになることは、非常に大きな助けとなるのだとあらためて思いました。
 これは練習が必要というよりは、そのことに気づくことなのですね。何かを「させる」のではなく、「ちゃんと思う」ということがどんな状態であるかを。そしてそれは表現にも関わることですが、音程ということにも非常に関わっているという点です。これはどちらも、思考と身体の関わりに関することだからでしょう。「練習が足りていないから」といういい訳はこの点においては通用しません。時間をかけて繰り返したかどうかではなく、「ちゃんと思う」というその瞬間の集中力や、分かっているかどうかということだからなのですね。無論、何度か自分に馴染ませ、納得させておくことは必要であっても。

 さて…。
 私たちは2人目の方のレッスンの途中、声を出していいと用意された控え室の使用時刻がきてそろりと退出し、同じ建物内の小さな別室に集合。いよいよ出陣…。
 しかしレッスン前の最終声出しというより、ほぼ一ヶ月ぶりに6人が顔を合わせ声を合わせることができる幸せに浸っていたのは私だけでしょうか。

 私事ですが、その一ヶ月にあまりにもいろいろなことがありました。生まれ育った神奈川で、友人知人、遠方の親戚や恩師、幼稚園から現在に至るまで大変お世話になった沢山の方々と同窓会のごとく本当にしばらくぶりに会うことになってしまった数日間があり、その一ヶ月の時間が自分の中で計ることのできないものになってしまっていたので余計です。今私がこの大阪でこの6人と歌うということが、そういった過去のさまざまなことを通して存在していることを深く感じ、この時間を本当に麗しく幸せに思いました。そしてそんな現在の私のうたや仲間たちとの音楽を、名倉さんに聴いて頂け、レッスンして頂けることの幸せとそのめぐり合わせの不思議を思いました。
 今回この機会を得たのは、私が12年ほど前に、東京北区王子にあるスタジオアルシスのアカペラのワークショップに参加した折、講師でいらしていた名倉さんと出会い、その後彼女といろいろな関係でお付き合いさせて頂いていたという経緯があったからなのです。

 話しを元に戻します(^^;
 特別枠だったのは、この公開レッスンの企画がサロン主催の“古楽道場”の一環で、私たちが古楽というジャンルとは離れているからなのですが、、それでも、3組の正規のレッスンがあるにも関わらず受け付けて頂けたのは、主催者さまと講師の方々の配慮によるものでした。本当に有り難いことです。

 レッスンして頂いたのは全てキングズ・シンガーズ編曲の以下の4曲
  ・Down to the river to pray
  ・All I ask of you
  ・The Water is Wide
  ・Lullaby

 手はずでは、まず4曲を通して演奏会のように聴いて頂いてから、ピックアップしてどれかを見てもらうなり、1つ1つの曲の部分部分に注意を頂くというふうに考えていました。しかし、1曲目が終わったとたんに「時間もありませんし!早速いいですか?」と、名倉さんの力強い声でどんどん指導が始まったときは、わぁ、どうしようかな、とメンバーと顔を見合わせましたが、やる気いっぱいにアドバイスくださる様子に、このまま任せたほうがよかろうと判断。それに何より、そのようにして受け止めてくださっていることが嬉しくて…
 たったの1時間で4曲もみてもらってしまったのはなんと我侭な贅沢なことだろうと思いますが、4曲もっていってよかったなぁと個人的には思いました。vitoiのみんなはどう思ったかしら(^^)

 英語の詩の中にある母音のロングとショートを明確にしていくことから、Gの子音の注意、母音選択の誤り、どのようにリズム(ノリ)を捉えみなで一致させるか、流れをどこへ持っていくか、またその編曲が求めているもの、細かな音の誤差や音程の感じ方、捉え方…音楽全体のアドバイスから細部まで多くのアイディアを提供して頂け、普段指導者をもたない私たちのようなグループにとって、どれもこれも新鮮で得るものが多く、そのまま2時間でも3時間でも次々レッスンを受けたいと感じるような時間を頂きました。

 私が痛切に感じたのは、譜面から離れて暗譜してうたっても、譜面から離れている歌を歌えるようになっていないな、ということ。四角張った、あるいはきちんとレイアウトされた印刷楽譜の、小さな紙の枠の中からはみ出さない音楽をしてしまっていること。「みなさん真面目ですよね」と言われたことが語るのは、そういうことも含まれるのかもしれません。言葉を語るにしても、音楽の流れを作るにしても。

 コンクールに出るでもなく、誰かに「これをこういうふうにやりなさい」といわれるでもなく、仕事でもなく、伝統もない。どんなジャンルでなくては、ということすら、私たちvitoiにはないのです。そこにある楽譜はただの提案にすぎないし、そしてひいては、誰かに聴いていただく本番の形すら、どんなものであってもいいのです。曲ごとに挨拶があるか、休憩があるか、並び方は?何は?かには?…。既成概念にとらわれることなく、目を閉じて見え、聴こえてくる心の声に耳を傾けながら面白いことをしていけたらいいな…。あらためてそんなことを思いました。

 私たちのレッスンが終わったあとは、その会場で、先生方や主催者とともに、任意の参加者によるレセプションが行われ、私たち6人は全員で参加させて頂きました。お客様としていらしていた方や、公開レッスンに参加された方たちからいろいろなお話を拝聴しながら、用意されたビールやお寿司などをお腹に収めすっかり幸せになり長い1日を終えました。

[photo] 名倉亜矢子さん、金子浩さん、打ち上げにて

   

 3年目を迎えるvitoiの今年はどうなことになるのかな…。何か面白いことがしたいね(^^)
 転勤暮らしで継続した時間をなかなか得られなかった私にとって、3年目を同じ仲間と迎えられるというのは本当に喜びです。この恵みに感謝しながら、1回でも多くみなと歌い、1つ1つの時間を大切に過ごしたいと思います。

 最後に、今回の特別枠レッスンの機会を得るにあたって、準備の段階から大変お世話になったノワ・アコルデの世話人でガンバ奏者でいらっしゃる頼田さんと、多くの点でご配慮くださったオーナーの平井さん、そしていろいろな思いを受け止めてご指導くださった名倉さんと金子さん、本当に有難うございました。vitoiがちゃんと成長することが何よりの恩返しと思って精進いたします。皆さまのさらなるご活躍をお祈りしつつ、このなが~いご報告を終了したいと思います。

[ともべ]

メンバーの感想:さっちん

 「お~、なんとお美しい♪!」
 コンサート前、名倉先生に初めてお目にかかり、まずそう思った。
 ともべさんから「名倉さんはほんとに美しいよ~」と聞いてはいたが、想像を超えていた。
 話し声もとても美しく、早く歌声も聞きたい!という衝動に駆られた。

 金子先生とお二人でのコンサートは、思った以上に心地よく、一瞬にしてお2人色の世界に引き込まれていった。

 こんな方々にレッスンしていただけるなんて、なんて幸せなことなんだろう♪

 そしてレッスン。
 最初はやはり緊張で心拍数があがり、平常心で歌えない。
貴重な時間なのにしっかりしなければと思った矢先、目の前に名倉先生の素敵な笑顔、一気に気持ちが和んだ。
 アドバイスの仕方も優しく丁寧で柔らかで、でも的確で、私もこんな女性になれたらなぁと、レッスンとは関係ない事を考えてしまったり(すみません…)。

 一方、金子先生もまた独特の巧みな表現でアドバイスをくださる。
 「3次元のリズム」という言葉が印象に残った。
 今まで平面的に見えていたものが立体的に、そして音そのものの周りの空間が見えた気がした。

 お二方のアドバイスはどちらも経験の浅い私にもわかりやすく、その場で試してみると、一瞬でその曲たちの色彩が変わる。
 絵の具用のバケツの水に違う色の一滴を落とした時みたいだなぁと思った。

 そうして1時間枠のレッスンはあっという間に終わってしまったが、とにかく、とてもとても素敵な、そして充実した時間を過ごせました。
 この経験はvitoiにとっても私にとっても、永遠の宝物です。

[さっちん]

メンバーの感想:はちへい

 最初のうちは私のMCをはさみながら4曲歌って・・・と考えていた矢先、1曲目が歌い終わるや否や名倉先生が早速アドバイスを始められ、それと同時に先生の世界に引きずりこまれた5人のあとを追うのが妙に恥ずかしかった。
 ていねいに1人1人にアドバイスされるその内容が、実は6人にとって大切なものであることに気がつき、他のメンバーへのアドバイスにはその本人よりも耳を大きくして聞き入った。メンバー全員がお互いにそのことを感じてレッスンを受けているのが心地良かった。

 金子先生の不思議な(失礼)アドバイスにも酔ってしまった。
 なんというのだろう、音楽をシンプルな形や動きで表す感じ?・・・今までどう歌ってよいのか悩んでいた部分が、急に命を吹き込まれたように流れ出すのがわかった。

 それにしても名倉先生の声は素敵すぎる。
 こう歌うのよ、と自ら歌われるメロディがすぐに終わるのが非常に残念だった。レッスンはどうでもいいから「その続き歌って!・・・お願い!」という切なさ?!がいっぱいのひとときであった。

[はちへい]